【タクシー運転手】売上70万円を突破しましたがいちばん死に近い場所にいました。
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深夜の営業で、給料はよくなる
3カ月の研修が終了すると、いよいよ自分ひとりでタクシー営業が始まります。
たいていのタクシー会社は、仕事に慣れてもらうため最初の3カ月は昼間の営業です。
朝8時から、夜8時までの12時間営業が基本です。
営業中に1時間の休憩をはさむので、11時間働く計算となります。
残業手当という概念はありません。
給料をたくさん貰うためには、お客様をたくさん乗せて走るしかありません。
研修後の売上の目安は、昼間の営業で2万円。
夜の時間帯(20時から翌朝8時)で3万円でした。
研修中の3ヶ月間は昼間ばかりなので、実働24日×2万円で48万円の売上です。
しかしこの売上から、燃料代、保険代、メーターや無線機の使用代、制服の使用代などを引かれると、手元に残るのは27万円くらいになります。
さらに各種保険代が引かれ、実質の手取りは23万円くらいとなります。
必然的に、夜の営業が入れば売り上げは伸びます。
これは新人もベテランも同じ理屈なので、要領が良ければすぐに給料は上がります。
夜と昼の営業を半々にしてシフトを組む場合ですと、実働24日だとして、12日×2万円=24万円。昼の営業が12×3万円で36万円。
合計で60万円です。
昼だけの営業よりも12万円のアップですが、ここから先ほどのような諸経費と保険料が引かれていきます。
結局このシフトでの手取り額は、27万円くらいとなるでしょう。
もっと経験を積めば、夜の営業を3週間、昼の営業を1週間というシフトも可能です。
どんどん要領を得ていけば売り上げも増え、給料も上がっていくシステムです。
命の危険を感じ退職する人も多い
一見給料的には悪くないタクシー業界ですが、辞める理由もそれなりにあります。
入社半年頃から慢性的な睡眠不足状態が襲われるのは、この仕事へ転職した者への最初の関門です。
特に危険なのは、夜中の1時から3時ころの高速道路の走行です。
油断すればガードレールに衝突です。
研修中には、実際の事故場面の映像を何度も見せられるので、うたた寝をしてハッとするたびに恐怖を感じます。
もうひとつの退職の原因は、ハイヤー運転手との待遇の差が大きすぎることです。
タクシーは自分でお客様を探しに行かなくてはいけません。
一方ハイヤーは、営業所に依頼された場所と時間にお客様を迎えに行き、ドアを開けてあげるなど、格式の高さも車種も違うのです。
たいていのタクシー会社では、入社して2年はタクシーでの経験が必要と言われます。
その間は当然、無事故・無違反であることが必須です。
丸1年もたてば、売上70万円台に乗ることも難しくはありませんが、ハイヤー運転手との差を考えると、嫌気がさしてしまうのでしょう。
いざ退職を考えるも・・・
70万円の売り上げがあったとしても、教習所代の立替金の返却、制服や諸々の返却金という名目で、手取り額は10万円以下ということもあります。
タクシー会社で働くこと
待遇よりも、いつ大きな事故を起こすかわからない、という不安を抱えながら過ごさなくてはいけないことが一番のデメリットです。
多少給料は低くても、明るい昼間の仕事に就けた方がベストなのではないでしょうか。
さらに、タクシーの仕事は、家族を持ってる人だと難しいとも思われます。
深夜の営業時が続くときは、昼間は寝るしかありません。
家族とはすれ違い生活になります。
小さいお子さんがいる家庭では、気持ち的にも、日中の騒がしさ的にも、困難と言えるでしょう。
ただし、タクシー運転手として経験を積まなくては、ハイヤー運転手にはなれません。
目指しているのであれば、一度経験しておいてもいいかもしれませんね。